ストレンジ・デイズ
The Fillms、その他神戸を中心に活動するバンドでドラムを叩いている三木健弘のブログ
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ワラシィの読書風月 十三回
一気に、東野圭吾の『加賀刑事シリーズ』を読んだので、各々について、短くレビューしたい。

『卒業』
こんな喋り方の大学生達って、嫌だな。なんて思いながら、初めて読んだ東野圭吾。僕はどうも、トリックを理解する頭が無いようで、地の文章で評価してしまうようだ。

評価
花・鳥

『眠りの森』
続き物、というので、一応読んだのだが、これが面白かった。加賀刑事の推理はもちろん、物語を貫くバレエ・ダンサーの哀しさと美しさ、いい作品だった。

花・鳥・風

『どちらかが彼女を殺した』
本格ミステリ。これがまた面白い!犯人全然分からないんだけど、加賀刑事の格好よさに、最後まで唸りっぱなし。水出しっぱなしは止めよう。

評価
花・鳥・風

『悪意』
衝撃。唯一ダメだった点を挙げるとすれば、最後まで東野の筆が悪意を捕らえることができなかったことだろうか。
……まぁ、捕らえられないからこそ、悪意なのだが。
しかしこれはお勧めできる作品。この重厚さは、ドストエフスキーの『罪と罰』なんかに通じるかも。

評価
花・鳥・風・月(満点)

『私が彼を殺した』
本格ミステリ第二段。難し過ぎて、さっぱり分からないが、読み物としても十分。ただ、やっぱり犯人がさっぱり分からない為、ラストが不満ではあった。

評価
花・鳥・風

『嘘をもう一つだけ』
短編集。あまり良くない。トリックも、なんだかなぁ、って感じ。主題はそこじゃないんだろうけど、おいおい微妙やで、今までもっと凄かったやん、といつの間にかファンになった僕の一人、呟き。

評価


『赤い指』
事件は大したことない(というか東野が書きたいものが変わったのだろう)のだが、最後のひっくり返しと、何より加賀と加賀父のやりとりに、おっちゃん、思わず涙。

評価
花・鳥・風

個別にでも読んでいけるので、ヒマがあれば、是非『悪意』は手にとって欲しい。
何回やられたことか。初めの伏線は見破ったと慢心していたのだが、いやぁ、まさかあんな所にあんな伏線がねえ。
まさに、『悪意』。後半はビビりっぱなし。
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バンド・オブ・ザ・デイズ 休載のお知らせ
バンド・オブ・ザ・デイズは諸事情(寺田君が抜けて、しかも話がぐちゃぐちゃになり、さらには母に「小説は読んでない」と言われて、あー確かにもう読んでる人いないかもなぁ、と思い)により、休載させて頂きます。
今後、更新があるとしたら私、藁科の「庭に水を撒いた午後」
http://blog.livedoor.jp/warashinayuuki/
にて更新します。
バンド・オブ・ザ・デイズ10
「ちっ、ポリ公か。ほんと暇だよな、あいつらは。神代行くぞ。とんずらだ」と山川が言った。

しかし僕は『自販機からのスムーズな腕の抜き方』なんて説明書を読んでいないなぁ、なんて無駄なことを考えていたが

「ヤバい、腕が抜けない」と正直に僕は言った。

「あぁこんなときは神頼みだな。ナンマイダーナンマイダー」と高見。

「成仏してどないすんねん」と何故か関西弁で僕が突っ込もうとした時に、手が抜けて思いっきり高見に突っ込んでしまった。
もちろん体ごと。

ドタバタしてる間にここから見える範囲に警察が近づいてきていた。

「なに二人でコントしてんだよ。隠れる暇はないから、さっさと逃げるぞ」とこういうとき真面目な山川が促した。

「いつものとこに集合で」と山川が言い残してみんなバラバラに逃げていった。



ガシャン!!とワンカップが割れる音が夜に響く。
あれから何日経っただろうか。
『自販機マニュアル』を手に入れた僕は時々こうして、夜中に一人で出歩いて、いつものアパートで飲むようになった。
一人で本を読みながら飲んでいる。

夏の暑い日に勝手に僕の家に来て
「あそぼーぜー」と叫びながら入ってきた奴。
アポなしで来るアホ。
迷惑そうに嬉しがる僕。
そんな小学生の時を懐かしく思っていると。

「先客がいるのか?」と山川が入ってきて、

「ただいま。今日もいるな」と高見登場。

今はここが家で奴は奴等に。でも僕も奴等か、なんてすこしニヤけていると

「どうした?なんかあったのか?」と山川が言った。

「いやなにもないよ。それよりこの部屋の飲み物が減ってきたな」と僕は言った。

「じゃそこら辺をぶらぶらしながら解決法を考えようぜ」と山川が言った。

「行くぜ」と高見は特に要らない台詞を吐いた。
バンド・オブ・ザ・デイズ 9
「…誰もいねぇか?」山川がボソリとまるで独り言のように言った。
「アリ一匹いないっす!!隊長ぉっ!!」高見がぐるりと回りを見回し敬礼しながら答えた。
「うるせぇ馬鹿っ!静かにしねぇと森に帰らすぞ熊野郎っ!」
言いながら山川は高見にケリを入れた。おそらく高見は先程飲んだビールがまだ回っているらしい。

僕らがやってきたのは川沿いにある小さな酒屋だった。食い逃げたあと、やることもなかったので結局自販機荒らしをすることになったのだ。時間は午前一時を回ったところ。川沿いの道にポツリポツリと立つ街灯が弱々しい光を放っているのに対し、店の前に並ぶ二つの自販機の光は眩しすぎて、僕の目をじりじりと痛くさせた。

「よし。じゃあさっさとやっちまうか。高見はいつものとこで見張りしといてくれ」
今度は無言で敬礼して高見は小走りで酒屋から10mほど離れたところにかかっている橋まで向かった。
それを確認し、山川は二つ並んでる自販機の酒が売っている方の前に小銭を探すがごとく膝をついた。
「なぁ、荒らすってどうするの?」
「まぁまずは俺がやるから見ときな」
こちらをチラリとも見ずに言い、山川は取出し口に肘くらいまで腕を突っ込んだ。突っ込まれた腕は中でゴソゴソと動かされ、何かを探しているようだった。
しばらくすると山川の腕の動きが止まり、次に「くっ!」と短く息を吐いた。彼の右腕に力を入れるのがわかった。

「ガコン」

真夜中の静寂のど真ん中に落とされたその音と共に自販機から出て来たのは日本酒のワンカップだった。
「…と、まぁこういうことだよ」
山川はあっけにとられている僕に向かってそう言った。
「カンよりビンの方が取りやすいから基本的にこういうのを狙うんだ。指の力が結構いるけどコツさえつかめば簡単。ちなみにタバコの自販機でも同じことができるよ。はい、じゃあ次は神代の番」
そう言って立ち上がった。
「え?俺?」
「まぁやってみろよ」
自分の脈が速くなるのがわかった。
ただその原因が酒を盗る罪悪感からくるものなのか、人生で初めてすることへの好奇心からくるものなのかはわからなかった。
とにかく山川に言われた通り手を突っ込んだ。自販機の内部は異様にひんやりしていて、自分の腕だけ切り離されて異空間に転移されてしまった気がした。
「腕入ったら日本酒探してみ」
山川に言われたので自販機の内部に手を這わすが、なかなか見つからない。

「かなり手前の右側にあるからもっとこう腕をずらして…」
山川の助言通り腕をずらそうとしたその時だった。

「ヤバいっ!隠れろっ!」
そう言いながら高見が血相を変えて走って来たのは。

バンド・オブ・ザ・デイズ 8
「乾杯!」
僕らはジョッキを合わせた。カチン、と気持ち良い音がする。
結局、第二ゲームも高見が勝ち、山川がそれに対して、次のゲームで勝負だ!と不服を申し立て、その次のゲームでは僕が勝った為に、再び山川が不服を……なんてことを繰り返しているうちに、賭けがグダグダになってしまったので、皆でビールを頼むことにしたのだった。
一気に飲み干すビールは、先ほどのカチンという音よりも気持ちいい「ゴッゴッ」という音を立て、胃に零れていった。
「いやぁ、美味いな」と山川が無表情で言う。
「まったくですな」高見がそれに追従する。
この二人は、一見すると山川が優位な立場を取っているように思えるが、実は逆なのだと最近気付いた。
本当は高見が、情緒不安定な(恐らく山川も自覚してはいるが)山川を上手くコントロールしているのだ。

二杯目のビールを頼む時に「あれかけてよ、中村さん」と山川が言い、それまで薄く膜を張っていたジャズから、なんとも言えない哀しいロックが流れた。
「ジョイ・ディヴィジョン。知ってる?」と、山川が僕に言った。
「知らない」
「そうか。神代はどんな音楽を聴いてる?」
「うーん、普通だよ、別に。あぁ、でも最近は色々聴いてる。グレイプバインとか、トライセラ・トップスとか。あと洋楽ならオアシス、レディオ・ヘッド、ニルヴァーナ辺り。ベタだろ?」
「いや、どれもいいバンドだよ」山川は嬉しそうに言った。
「相変わらずこの曲、暗いね」高見が呟いた。
「うむ。『ラヴ・ウィル・ティアー・アス・アパート』。『愛が俺達を引き裂いてゆく』。」そう言って、山川は重い歌声に合わせて歌詞を口ずさんだ。
「暗いけど、綺麗だ」と僕は言った。
「だろう?……愛か。そういや、神代は彼女とかいるの?」
「いや。……別れた」
一瞬脳裏に、ぼやけて漠然とした輪郭が過った。しかしそれは、太陽を見つめた後に、閉じた瞼裏にしばらく(だけ)刻まれる、あの白光と同じようなものだ。
きっと、これが思い出の本質なのだ。凝縮された瞬間は、膨大な時間の中で、希釈される。
例えば、シェフ特製の濃厚ポタージュ・スープ。これに水を加え続けると、当たり前だが、やがて水になる。
二つは液体というカテゴリに置いては同一だ。ただ、「美味しかった」という脳の信号だけが、唯一、二つを分けている違いなのだ。
「山川はいるの?」これ以上聞かれないよう、山川に話を振った。
「俺か……」山川は、遠い目をした。




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